これで納得!ポストモダンの意味をかわりやすく解説します!

お役立ちコラム

1880年代を印象付けるキーワーのひとつに「ポストモダン」があります。

建築やデザイン、インテリアや音楽など幅広いジャンルでよく登場するポストモダンというキーワードですが、実際の意味をご存知ない方も多いのではないでしょうか?

実際私も「モダン」の意味はある程度理解していましたが、ポストモダンも同じような意味だと勘違いしていました。

当時小学生だった私を含め、このキーワードの意味を知らない世代にもポストモダンについてもう少しわかりやすい説明がほしいところですよね。

そこで今回は、ポストモダンの意味をわかりやすく解説していきます。

昨今の歴史ワードのひとつとして、是非参考にご覧くださいね!

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ポストモダンとは?

ポストモダンとは、1980年代のポストモダン以前の時代であった「モダン(近代)」を超えたより素晴らしい価値観や作品を生み出そうという考え方から生まれました。

具体的にはモダン(近代)の基本的な考え方である「無駄を排除し削ぎ落として生まれる機能主義・合理的主義」とは反対の考え方やアプローチを取ることがポストモダンの考え方の基礎となっています。

つまり、必ずしも機能的であることや無駄を削ぎ落としたシンプルな価値観から生まれたものが素晴らしい訳ではないという発想がポストモダンの原点ということになります。

こうしたモダン、ポストモダンの違いの一例として建築の世界を検証すると大きな違いがある事が分かります。

合理的なモダン(近代)建築

合理性や機能性を第一とするモダン建築では、中世のゴシック建築などに代表される石造りが主流だった時代から、鉄筋コンクリート(RC)による建築が主流になりました。

こうした建築技術の発展と併せて物事をシンプルに捉える無駄のない考え方である「モダニズム」を世界的に広げた建築家やアーティストが活躍しました。

例えば1910年代に登場したドイツの美術学校「バウハウス」や、スイス出身の建築家ル・コルビュジエはデザイン、建築などの分野でモダンを提唱した最初の存在です。

彼らはクラシック建築で重んじられていた曲線美を否定し、シンプルで合理的な直線美の建築を数多く手掛け世界的にモダニズムを浸透させていきました。

今日の世界中の都市で見ることのできる高層ビルの基本的な考え方は、モダンの考え方に基づいたシンプルな設計思想でできています。

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ポストモダン(ポストモダン建築)

一方モダンとは真逆のアプローチをとるポストモダンでは、クラシック時代に盛んだった「装飾性」や「デザイン性」を重視した建築が生まれました。

具体的にはモダンの直線美とは対照的な「曲線美」や、他とは異なる「個性」が重んじられたこともあり、奇抜さや奇異的な作品が多く登場しています。

また、近代以前のクラシック建築の様式であったルネサンス、ローマ、ギリシャ、アールデコなどの様式を現代の工法に取り入れた挑戦的な建築も数多く建てられています。

ポストモダン時代は、このようにクラシック(古典的)時代に主流だった曲線美などを用い当時の技術を用いた作品が多く生まれました。

1980時代のポストモダン全盛期、日本ではバブル景気もあり多くの奇抜さや個性を重視した建築物が生まれました。

しかし合理性を排除した無駄が目立つ建物や、景観にそぐわない建物など、すべての作品が現在でも評価されている訳ではないことも事実です。

モダン(近代)について知ろう

近代(モダン)と位置付けされる時代とは、具体的にどのような年代を指すのでしょう?

・古代(紀元前〜476年)
・中世(476年〜1453年)
・近世(1453年〜1789年)
・近代(1789年〜1992年)
・現代(1992年〜)

世界史で用いられる一般的な年表では、上記のように5つの時代に分ける事ができます。

しかし歴史的な出来事を中心にルネサンス、大航海時代〜産業革命を経たヨーロッパでは、大きく分けて下記の3つの時代区分に分けることができます。

・古代(Antiquity)
・中世(middle ages)
・近代(modern)

この時代区分については、アジア諸国や東欧、アメリカなど国ごとに認識が異なります。

ただしどの国にも共通する事柄としては、近代は中世の時代を良しと思わない思想や活動から生み出された時代であったこと覚えておく必要があります。

何故なら歴史とは、常に前の時代の反省や「よりよい世界を創る」ために進化して行くものでもあるからなのです。

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近代が否定する中世の思想

近代が否定する中世とはどのような時代だったのでしょう?

ヨーロッパの中世の時代では、王政による封建制度や、キリスト教などの宗教的価値観に基づいた政治が行われていました。

しかし「産業革命」がもたらした資本主義経済の時代に入ると、国家主導による時代から資本主義、つまり民衆が主導権を握る時代へと移行していきます。

こうした時代の流れは大きなうねりとなり、中世で禁じらていた「個人の自由」や「合理的・機能的に実行する」事が大切であるという考え方が広まっていきました。

近代の考え方とは、ヨーロッパに永らく支配されて来た政治体制への反発などから生まれたとも言えるのではないでしょうか。

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ポストモダンの存在意義とは?

それではポストモダンの思想が必要であった背景とは何でしょう?

まずはポストモダンの時代の流れについてご説明します。

・プレモダン(近代より前の時代)
・モダン(近代)
・ポストモダン(近代以降の時代)

上記の呼び方の特徴として

モダンの前→プレ
モダンの後→ポスト

という「ラテン語」が用いられています。

何故このような語句を使用するかと言えば、近代がどのような時代であったかを考えてみる必要があります。

近代(モダン)に掲げられた思想は「個人の尊厳を重視し、合理的・機能的に物事を進める」というものでした。

この時代にもたらされたメリットは、今日の世の中を見渡しても計り知れないものがありますが、同様にデメリットも多く存在しました。

例えば個人を尊重するあまり生じた「環境問題」や「格差社会」などです。

究極的に資本主義経済は、行き着くところまで行くと地球環境を汚染し続け、自らが住めなくなるところまで来ています。

また、資本主義が長く続いた現在、貧富の差は縮まるどころか広がる一方です。

こうした数々の問題を是正するためのヒントとして、近代(モダン)以前の時代、プレモダンの思想を顧みる活動がポストモダンの存在意義として以下のように用いられました。

・宗教的な神の存在→行きすぎた個人主義の是正
・宗教的な価値観→欲求を抑え、理性を重んじる

しかしポストモダンではこうした理性的なアプローチを訴えたものの、普及する事はなく終焉を迎えることになります。

ポストモダン時代の終焉

1980年代に生まれたポストモダンの概念は、約10年後の1990年代には語られる事はなくなりました。

何故このような短期間で終焉を迎えたかについては諸説あります。

その理由をひとつ挙げるとすれば、ポストモダンの時代を経てさまざまな価値観が生まれ、ひとつの定義では語れない時代に突入したのではないでしょうか?

一方で個人を尊重する資本主義経済は現在も続いている事から、「ポストモダンの概念ごとモダンの概念が飲み込んでしまった」という解釈もできます。

日本では、ポストモダンとはバブル経済を代表とする好景気を語る言葉のひとつとして認識されて来ました。

しかし今回のように詳しく思想や価値観を考えて行けば、現代では当たり前とされている価値観の「よくない面」に目を向ける事も必要だという事を教えてくれています。

ポストモダンとは、現代の多様化した社会を定義付ける最後のキーワードだったのかも知れませんね。

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まとめ

今回はポストモダンを分かりやすく解説しました。

ポストモダンとは近代的なモダニズムの合理性、機能性を否定し、「より素晴らしい世界を創ろう」とする思想である事をご紹介しました。

また、産業革命から始まったモダニズムについては、封建的な規制から個人を尊重する資本主義経済に移り変わる中で生まれた思想である事も解説しました。

ポストモダンは、モダンの考え方の欠点を顧みる考え方でもあった事実も理解できましたね。

いずれの時代についても、前の時代を振り返り、今までよりも素晴らしい社会を目指して発展していこうとする「試行錯誤の繰り返し」であった事が分かりました。

ポストモダン時代を経て、益々多様化した時代に突入した現代をより素晴らしい社会になることを願い、皆さんと一緒に生き抜いていきましょう。

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